ホテルでプロとして働くなら考えよう:中国は友人か敵か?
最近、新聞やテレビで中国のニュースを見聞きしない日はありません。中国に押し寄せている大変化は中国国内のみならず、アジア全土に、とりわけ日本に大きく影響しています。良い噂と悪い噂が混在するなかで、中国そして中国の急激な変化をどう捉えたらよいのでしょうか。
よい話としては、中国のGDPの伸びがあります。今年の第一四半期だけで驚異的な9.4%という伸びを見せており、2005年全体でも8.8%の成長が見込まれています。過去5年間も年率平均8.4%の伸びが続き、投資家や企業が先を争って中国に参入しています。また、人件費がいまだ低いため、世界中の人が中国製の低価格商品を手にできています。こうした中国の急激な成長と、最大の取引先としての存在が、日本の14年間にわたる不況からの脱出を支えていることは間違いないでしょう。
逆に悪い話はいくらでもあります。中国の貧富の差の拡大、そして労働者の劣悪な労働環境。また、共産党単独政権による政治の不平等性については人権活動家が声高に訴えるところです。中国と日本の間の取引が活況を呈すなかで、国どうしの関係改善についていずれの政治家も貢献しようという態度が見られないのも、憂慮すべき事態です。
こうしたニュースを報道しながらメディアはいつも「中国は好ましい相手か否か」を我々に問いかけているといえるでしょう。手をとりあって繁栄を共有するパートナーとなり得る相手なのか、それとも、敵として将来を脅かす存在になるのか。日本人でホテルのプロを目指す人たちにとって、答えはひとつ。中国は友人なのです。
ホテル業界に身を置いて30年になる近しい友人がいますが、ホテル・ビジネスは平和ビジネスだといっていました。ホテルは日々世界からたくさんのお客さんを迎え、お互いの友好関係を強め、思い出を作り、落ち着ける場所だからだそうです。毎日お客さんを笑顔で迎え、ホテルでプロとして働くことは、日本を代表する親善大使といってもよい役どころでもあります。ホテルにやってくる何千という旅行者を厚くもてなすことで、やってくる人たちの日本の印象がどれだけ変わることでしょうか。
現在、日本にはレジャーや留学、ビジネスで年間約60万人の中国の人たちが訪れているといわれます。中流家庭の収入が増えるに従い、中国からのこうした訪問者数は今後数十年もずっと伸び続けるものと予測されます。こうした動きを睨んでか、香港と中国を拠点とする大型ホテル「マンダリン・オリエンタル」と「ペニンシュラ」が東京への参入を着々と準備中です。
日本の国際ホテルでプロとして働き、将来管理職を目指しているならば、または海外のキャリアアップを目指しているならば、こうした動きに着目して間違いはありません。中国をはじめとするアジア近隣諸国の観察に足を伸ばし、現地でのサービスと文化を吸収することが重要です。日本からは毎年、中国へ330万人もの人が訪れているのです。また、中国語を始め、アジアの言語を勉強することもよいでしょう。日本に住む中国人の友人を作ることもよいですし、当社のインターンシップ・プログラムに参加して他国の文化を学び、キャリアアップへの着実な一歩とすることもお勧めです。
毎日会うお客さんの一人一人に日本を代表する親善大使として接し、キャリアアップを目指しながら世界をより平和な場所にするチャンスはすでにあなたのものです。
マシュー・サスマン:海外ホテル研修プログラム企画のアスパイア・インターンシップ社日本代表。アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナム、モルジブでのプログラムを手がける。中華料理は大好物。中国は3度訪問し、現在友人を増やすために中国語基礎会話を学習中。
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